029-297-6826
〒311-4204 茨城県水戸市田谷町3159
営業時間 8:00~18:00 / 定休日 日曜日・祝日・年末年始
スレート屋根の修理方法と費用相場|寿命は約20〜35年
〇こんな人におすすめ
昨今では「ガルバリウム鋼板」という金属製の屋根材が採用される場合が多いです。
しかし、1990年代ではスレート屋根が主流であったため、現在でも多くの住宅の屋根にスレートが使われています。
そこで、この記事では自宅の屋根がスレートである方のために、以下の内容を解説していきますので参考にしてみてください。
この記事は7分で読めます。
定期的な補修や点検をしている上に、耐久性のあるスレート製品であれば約20〜35年の寿命となります。
しかし、同じ補修や点検を実施していても「スレート屋根材が製造された時期」によって寿命が大きく異なる点に注意しなければいけません。
以下より解説していくスレート屋根材に該当する場合は、修理や補修の際に「通常のスレート屋根とは違う点」に注意しながら進めていきましょう。
スレート屋根材が製造された時期によって、寿命に違いが生まれます。
・約35〜40年
・寿命:約15〜20年
・寿命20〜35年
1990年代前半までは、屋根材の「耐久性を上げるため」に石綿(アスベスト)という物質が使われていました。
しかし、石綿(アスベスト)による健康被害が確認されたことから法律で使用が禁止され、現在では危険物質として広く認識されています。
屋根材においては、1990年代後半〜2000年代中頃まで、石綿(アスベスト)が使えないことから一時的に耐久性が低下しました。
そのため、2000年代後半になって石綿(アスベスト)に代わるものが使われるようになるまでに製造されたスレート屋根材は、寿命が約15〜20年と短いです。
2020年代となった現在では、すでに寿命が過ぎていると考えられることを前提に修理・補修の方法を検討しなければいけません。
屋根を施工した当時(新築やリフォーム時)の図面などの建築資料に記載されている、スレート屋根の商品名を確認しましょう。
耐久性に問題があり、ひび割れなどの不具合が発見されているのは、以下の商品となっています。
・セイバリーNEO
・グリシェイドNEO
・グリシェイドグラッサ
・エコ・シンプル
・シルバス
・シンフォニー
該当する商品以外にも2000年前後に製造された、耐久性に問題がある商品はあるので、該当する可能性がある場合はプロに相談するのがおすすめです。
中には寿命が約15年しかないスレート屋根もあり、塗装や部分補修をしても、近い将来には葺き替えが必要になるケースもあります。
何度も修理・補修の作業が必要になると、工事費用が割高となり「最初に葺き替えをした方が安く済んだ」となる場合もあるため注意しなければいけません。
スレート屋根に詳しい専門業者を見つけ、修理・補修方法や時期について、プロからアドバイスを受けましょう。
以下のような症状がスレート屋根に発生している場合は、修理や補修が必要です。
雨漏りが起きている場合は、早急に対処しなければいけません。
上記のような症状が確認できていない状態でも、プロに依頼して雨漏りの原因を調査してもらいましょう。
紫外線や雨風の影響を受けて経年劣化を起こしている場合や、寿命を過ぎている場合にひび割れや剥がれが起きます。
屋根材の下には、防水シートが施工されているため、すぐに雨漏りなどのトラブルが起きるわけではありません。
しかし、長く放置すれば雨漏りが起き、建物内部まで雨水が到達してしまうため、修理や補修を検討すべきタイミングとなります。
ひび割れや剥がれと同じく、経年劣化が起きている場合や寿命を過ぎて耐久性が失われている場合に反りや欠けが発生します。
反りや欠けがあると「紫外線や雨風から建物を守る」という、屋根材の役割を果たせません。
雨漏りや屋根を支える構造部(木材など)の腐食に繋がってしまうため、修理や補修を検討しましょう。
スレート屋根の表面が劣化すると、うまく雨水をはじくことができなくなり、表面の湿度が上がります。
コケやカビは胞子を飛ばして増えていくため、早めに取り除く清掃作業や塗膜の補修が必要です。
根を張ると、スレート屋根の内部の方まで湿度が高まってしまうため、劣化を早めてしまう恐れもあります。
コケやカビの胞子は人にとっても有害なので「コケぐらい大丈夫」と思わず、人や住宅を守るために早めに対処しましょう。
表面の塗膜が劣化すると、紫外線や雨風の影響を直接受けることになり、スレート屋根自体がダメージを受けやすくなります。
ひび割れや反りなどの症状が起きやすくなるため、10年に1回を目安に塗装による補修を行いましょう。
屋根の1番高いところにある棟板金という部材の寿命は約15〜20年です。
建物の中で1番強風や紫外線の影響を受けやすいことから、経年劣化による浮きやひび割れが発生しやすい部材となっています。
一般的に棟部分には防水シートを重ねて施工するなどの措置がとられており、すぐに雨漏りが起きるわけではありません。
しかし、防水シートの劣化や施工不良などがあれば、雨漏りが起きる可能性もあるため、スレート屋根と合わせて棟板金の定期的な点検も必要です。
スレート屋根の修理や補修の方法には、主に以下の4つがあります。
スレート屋根に発生している症状の他、前半でお伝えしてきた「製造時期」や「石綿(アスベスト)を含んでいるか」によっても選ぶべき方法が異なります。
必ず専門的な知識と経験があり、信頼できるプロに状態を点検してもらった上で、適切な方法を提案してもらいましょう。
棟板金の浮きやひび割れに対しては、以下の方法で対処できます。
浮きが発生しているのは、棟板金や釘の経年劣化の他に「貫板が腐っていること」が原因の1つとして考えられます。
貫板は杉を加工したものを使用するのが主流でしたが、現在ではアルミの部材を貫板として使う現場が増加中です。
杉よりも高価であるため、交換費用は上がりますが、腐る心配がないため浮きが発生しづらいのが特徴となっています。
昨今の日本は、大型の台風発生による強風被害が増加しているため、強風への対策は必須です。
住宅を強風の被害から守るため、棟板金自体や支える貫板の補修・交換の際には、プロと相談しながら使う製品を検討しましょう。
コケやカビの発生が起きるなど、塗膜の劣化が起きている場合は屋根塗装で補修ができます。
下記に当てはまるなら、屋根塗装を検討しましょう。
屋根塗装を検討する際に注意しなければいけないのは「塗装では補修ができない状態」もある点です。
塗装は「屋根材を保護すること」と「美観を取り戻すこと」が目的であり、屋根材が欠けていたり、剥がれたりしている箇所の補修はできません。
また、パミールなどの2000年前後に製造されたスレート屋根である場合、2020年代の現在では耐久性が失われている可能性が高いです。
中には、屋根の上を歩いただけでパリパリと割れてしまう状態のスレート屋根もあるため、事前に点検を行いましょう。
耐久性が失われているスレート屋根に塗装をしても、近い将来に葺き替えが必要になる可能性があります。
「塗装をした意味がなかった」という状態になってしまうので、損をしないよう、塗装をするのが最適な方法であるのかをプロと相談してください。
スレート屋根は、スレート瓦が重なるように施工されているため、塗装によって重なり部分をふさいだままにすると雨漏りが起こる恐れがあります。
重なり部分にある隙間は、スレート瓦の内側に入った水分を外側に出すことができるように施工されているため、塗装でできた塗膜を切らなければいけません。
スレート屋根の塗装に関する経験や知識が豊富な施工会社であれば問題ありませんが、中には縁切りをせずに塗装を終えてしまう施工会社もあります。
見積書の記載内容や打ち合わせの際の話の中で「縁切り」について説明があるか確かめ、雨漏りなどのトラブルが起きないように注意しましょう。
カバー工法は、既存の屋根の上に新しい屋根材を重ねて施工する修理方法です。
葺き替えよりも費用が安く、工期を短くできるため、人気の方法でもあります。
しかし、どのような状態のスレート屋根でも採用できるわけではなく、以下のような場合にのみ採用できる点に注意しましょう。
雨漏りが起きている場合は、スレート屋根や下地を交換する必要があるため、カバー工法は採用できません。
必ず雨漏り調査など、スレート屋根の状態を細部まで点検した上で採用できるか判断してもらうようにしてください。
既存のスレート屋根を撤去して、新しい屋根材を施工する修理方法です。
屋根の修理と合わせて、屋根下地や屋根を支える構造部(木材など)の交換・補修もできるため、次回の修理までの期間を長くできるのが最大の魅力となっています。
以下のような状態である場合に、採用を検討しましょう。
採用する際に注意しなければいけないのは、カバー工法や屋根塗装と比べると費用が高く、工期が1番長くかかってしまう点です。
また、後ほど「石綿(アスベスト)を含むスレート屋根の葺き替えの注意点」の見出しで詳しく解説しますが、別途費用がかかる場合もある点に注意してください。
修理や補修にかかる費用相場は、以下の通りです。
足場代や諸経費(廃材運搬費や処理費)などは別途かかる上、施工会社や使用する製品などによって価格は異なるため、参考価格としてチェックしてください。
スレート屋根に浮きや剥がれなどの修理が必要な症状が発生した原因が「自然災害(強風など)」である場合は、火災保険が適用されるケースがあります。
火災保険の加入内容や自然災害の規模などによって適用になるかが決まりますので、まずは契約時に受け取る「保険証券」を見て確認しましょう。
火災保険の申請には「修理が必要である状況」を撮影し、提出する必要があるため、修理を行うのは申請をした後にしましょう。
1つの例として、東京海上日動の火災保険への申請の際の必要項目と手続きの流れについて紹介します。
必要な項目や書類は保険会社によって異なりますが、屋根の状況についての報告は必須です。
修理が必要な状況になった時点で保険会社の方へ連絡し、手続きの流れを確認しましょう。
引用元:東京海上日動|事故発生から保険金お受取りまでの流れ
加入している火災保険の内容によっては、自己負担なく修理ができますが、必ず無料で屋根の修理ができるわけではありません。
以下の言葉で勧誘する悪徳業者には注意しましょう。
火災保険は申請すれば必ず保険金がもらえるのではなく、提出した書類や保険内容を照らし合わせて審査が行われた上で、適用になるかを判断されるという仕組みになっています。
国民生活センターに寄せられた「保険金を使って住宅修理ができる」と勧誘されたことによるトラブルは、年々増加傾向にあるため注意が必要です。
「知らないうちに詐欺に加担していた」という怖い事例もあるため、火災保険については保険会社と相談しながら申請を進めていきましょう。
引用元:国民生活センター|「保険金を使って自己負担なく住宅修理ができる」と勧誘されてもすぐに契約しないようにしましょう!-勧誘・契約が増える秋台風シーズンは特に注意してください-
石綿(アスベスト)を含むスレート屋根の葺き替えの際には、通常の費用の他に以下の費用が発生する点に注意しましょう。
施工会社によって価格は異なりますが、通常の葺き替え費用の他に約10〜20万円がプラスされるケースが多いです。
石綿(アスベスト)に関する法律が変わり、2023年10月1日からは以下の者による工事前の調査が義務付けられています。
②一般建築物石綿含有建材調査者(一般調査者)
③一戸建て等石綿含有建材調査者(一戸建て等調査者)
④令和5年9月30日以前に(一社)日本アスベスト調査診断協会に登録され、事前調査を行う時点においても引き続き登録されている者 引用元:環境省パンフレット|石綿(アスベスト)関連規制が改正されました
事前調査なく屋根の解体をした場合、石綿(アスベスト)が飛び、人が吸い込んでしまう恐れがあるため事前調査は必須です。
人が吸い込んでしまった場合、肺がんなどの健康被害が発生する恐れがあるため、必ず事前調査をしてもらった上でスレート屋根の葺き替えを行いましょう。
特定建築物石綿含有建材調査者など石綿(アスベスト)に関する知識が豊富で、実際に解体作業を行った経験が多い施工会社へ依頼するのがおすすめです。
石綿(アスベスト)に関する事前調査だけでなく、解体や処理作業の際も、安全に作業するためには豊富な実績が必要になります。
施工会社のホームページなどを確認して、安心して任せられる依頼先を見つけましょう。
スレート屋根には、以下のメリットがあります。
葺き替えやカバー工法の際に採用する屋根材選びの参考にしてみてください。
スレート屋根は、セメントを材料として作られた薄い板を重ねて施工するため、金属屋根には出せない風合いを演出できます。
そのため「他の住宅とは違う外観にしたい」という方におすすめの屋根材です。
選ぶ柄や色によって印象が変わりやすいのも、特徴となっています。
一般的な化粧スレートであれば厚さ5〜6mmほどと薄く、軽量であるため施工しやすいのが特徴です。
日本住宅で多く使われてきた瓦の半分ほどの軽さで、地震による被害を軽減できる屋根材として版人淡路大震災以降に普及が進みました。
1990年代ではスレート屋根が主流であったため、修理や補修などに対応できる会社が多くあります。
日本瓦などを使った瓦屋根では、瓦職人の若手不足などにより、対応できない施工会社も多いです。
一方、スレート屋根はシェア率や施工のしやすさなどから対応可能な会社が多いため、依頼先選びに困りません。
スレート屋根には、以下のデメリットがあります。
修理や補修を行う際は、上記のようなデメリットがある点も理解しておきましょう。
スレート屋根は約20〜35年の寿命であることが多く、日本瓦の半分程度の年数となっています。
瓦であれば、100年近く綺麗な状態を保っているものもあり、高寿命を重視するのであれば瓦屋根がおすすめです。
また、次項でお伝えするように、強風によるダメージなどから経年劣化を起こしやすいため、他の屋根材よりも寿命が短いのがデメリットとなっています。
スレート屋根は、厚みが5〜6mmほど薄いため、強風によって飛ばされやすいのがデメリットです。
以下のような経年劣化が起きている場合、より飛ばされやすい状態となっているため、修理や補修が必要になります。
他の屋根材よりも強風の影響を受けやすい弱点を理解し、定期的に点検をしておくことが大切です。
スレート屋根が飛ばされてしまった場合、近隣住宅や車の破損などのトラブルが起きる恐れもあるため、大きな事故となる前に対処しておきましょう。
寿命が短く、強風の影響を受けやすいことから、他の屋根材よりも補修の頻度が多いのがデメリットです。
ひび割れや剥がれなどの症状を長く放置すれば、雨漏りや構造部(木材など)の腐食が起きる可能性が高まるため、見逃すことはできません。
そのため、スレート屋根を選ぶ際は「他の屋根材よりも補修が必要になること」を頭に入れて検討しましょう。
同じ30年近くの寿命であれば高耐久な金属製の屋根材である「エスジーエル鋼板」など、耐久性の高い屋根材を選ぶのがおすすめです。
スレート屋根は、定期的に修理・補修や点検を実施していれば「約20〜35年の寿命」となっています。
点検の際に、以下のような症状がスレートや屋根に発生している場合は、修理や補修が必要です。
また、上記の症状以外に「雨漏り」が発生している場合は、早急に対処しなければいけません。
スレート屋根の修理だけでなく、下地や住宅の構造材(木材など)の交換が必要になる場合もあるので、早めにプロに点検を依頼しましょう。
24/12/06
24/12/05
TOP
〇こんな人におすすめ
昨今では「ガルバリウム鋼板」という金属製の屋根材が採用される場合が多いです。
しかし、1990年代ではスレート屋根が主流であったため、現在でも多くの住宅の屋根にスレートが使われています。
そこで、この記事では自宅の屋根がスレートである方のために、以下の内容を解説していきますので参考にしてみてください。
この記事は7分で読めます。
スレート屋根の寿命は約20〜35年
定期的な補修や点検をしている上に、耐久性のあるスレート製品であれば約20〜35年の寿命となります。
しかし、同じ補修や点検を実施していても「スレート屋根材が製造された時期」によって寿命が大きく異なる点に注意しなければいけません。
以下より解説していくスレート屋根材に該当する場合は、修理や補修の際に「通常のスレート屋根とは違う点」に注意しながら進めていきましょう。
スレート屋根材が製造された時期
スレート屋根材が製造された時期によって、寿命に違いが生まれます。
・約35〜40年
・寿命:約15〜20年
・寿命20〜35年
1990年代前半までは、屋根材の「耐久性を上げるため」に石綿(アスベスト)という物質が使われていました。
しかし、石綿(アスベスト)による健康被害が確認されたことから法律で使用が禁止され、現在では危険物質として広く認識されています。
屋根材においては、1990年代後半〜2000年代中頃まで、石綿(アスベスト)が使えないことから一時的に耐久性が低下しました。
そのため、2000年代後半になって石綿(アスベスト)に代わるものが使われるようになるまでに製造されたスレート屋根材は、寿命が約15〜20年と短いです。
2020年代となった現在では、すでに寿命が過ぎていると考えられることを前提に修理・補修の方法を検討しなければいけません。
2000年前後のスレート屋根材は図面で商品名を確認
屋根を施工した当時(新築やリフォーム時)の図面などの建築資料に記載されている、スレート屋根の商品名を確認しましょう。
耐久性に問題があり、ひび割れなどの不具合が発見されているのは、以下の商品となっています。
(現在:Kmew)
・セイバリーNEO
・グリシェイドNEO
・グリシェイドグラッサ
(現在:パナソニック)
・エコ・シンプル
・シルバス
・シンフォニー
該当する商品以外にも2000年前後に製造された、耐久性に問題がある商品はあるので、該当する可能性がある場合はプロに相談するのがおすすめです。
中には寿命が約15年しかないスレート屋根もあり、塗装や部分補修をしても、近い将来には葺き替えが必要になるケースもあります。
何度も修理・補修の作業が必要になると、工事費用が割高となり「最初に葺き替えをした方が安く済んだ」となる場合もあるため注意しなければいけません。
スレート屋根に詳しい専門業者を見つけ、修理・補修方法や時期について、プロからアドバイスを受けましょう。
スレート屋根の修理や補修が必要な症状
以下のような症状がスレート屋根に発生している場合は、修理や補修が必要です。
雨漏りが起きている場合は、早急に対処しなければいけません。
上記のような症状が確認できていない状態でも、プロに依頼して雨漏りの原因を調査してもらいましょう。
スレート瓦のひび割れや剥がれ
紫外線や雨風の影響を受けて経年劣化を起こしている場合や、寿命を過ぎている場合にひび割れや剥がれが起きます。
屋根材の下には、防水シートが施工されているため、すぐに雨漏りなどのトラブルが起きるわけではありません。
しかし、長く放置すれば雨漏りが起き、建物内部まで雨水が到達してしまうため、修理や補修を検討すべきタイミングとなります。
スレート瓦の反りや欠け
ひび割れや剥がれと同じく、経年劣化が起きている場合や寿命を過ぎて耐久性が失われている場合に反りや欠けが発生します。
反りや欠けがあると「紫外線や雨風から建物を守る」という、屋根材の役割を果たせません。
雨漏りや屋根を支える構造部(木材など)の腐食に繋がってしまうため、修理や補修を検討しましょう。
コケやカビの発生
スレート屋根の表面が劣化すると、うまく雨水をはじくことができなくなり、表面の湿度が上がります。
コケやカビは胞子を飛ばして増えていくため、早めに取り除く清掃作業や塗膜の補修が必要です。
根を張ると、スレート屋根の内部の方まで湿度が高まってしまうため、劣化を早めてしまう恐れもあります。
コケやカビの胞子は人にとっても有害なので「コケぐらい大丈夫」と思わず、人や住宅を守るために早めに対処しましょう。
塗膜の劣化
表面の塗膜が劣化すると、紫外線や雨風の影響を直接受けることになり、スレート屋根自体がダメージを受けやすくなります。
ひび割れや反りなどの症状が起きやすくなるため、10年に1回を目安に塗装による補修を行いましょう。
棟板金の浮きやひび割れ
屋根の1番高いところにある棟板金という部材の寿命は約15〜20年です。
建物の中で1番強風や紫外線の影響を受けやすいことから、経年劣化による浮きやひび割れが発生しやすい部材となっています。
一般的に棟部分には防水シートを重ねて施工するなどの措置がとられており、すぐに雨漏りが起きるわけではありません。
しかし、防水シートの劣化や施工不良などがあれば、雨漏りが起きる可能性もあるため、スレート屋根と合わせて棟板金の定期的な点検も必要です。
スレート屋根の修理と補修方法
スレート屋根の修理や補修の方法には、主に以下の4つがあります。
スレート屋根に発生している症状の他、前半でお伝えしてきた「製造時期」や「石綿(アスベスト)を含んでいるか」によっても選ぶべき方法が異なります。
必ず専門的な知識と経験があり、信頼できるプロに状態を点検してもらった上で、適切な方法を提案してもらいましょう。
棟板金の補修や交換
棟板金の浮きやひび割れに対しては、以下の方法で対処できます。
浮きが発生しているのは、棟板金や釘の経年劣化の他に「貫板が腐っていること」が原因の1つとして考えられます。
貫板は杉を加工したものを使用するのが主流でしたが、現在ではアルミの部材を貫板として使う現場が増加中です。
杉よりも高価であるため、交換費用は上がりますが、腐る心配がないため浮きが発生しづらいのが特徴となっています。
昨今の日本は、大型の台風発生による強風被害が増加しているため、強風への対策は必須です。
住宅を強風の被害から守るため、棟板金自体や支える貫板の補修・交換の際には、プロと相談しながら使う製品を検討しましょう。
屋根塗装
コケやカビの発生が起きるなど、塗膜の劣化が起きている場合は屋根塗装で補修ができます。
下記に当てはまるなら、屋根塗装を検討しましょう。
屋根塗装を検討する際に注意しなければいけないのは「塗装では補修ができない状態」もある点です。
塗装は「屋根材を保護すること」と「美観を取り戻すこと」が目的であり、屋根材が欠けていたり、剥がれたりしている箇所の補修はできません。
また、パミールなどの2000年前後に製造されたスレート屋根である場合、2020年代の現在では耐久性が失われている可能性が高いです。
中には、屋根の上を歩いただけでパリパリと割れてしまう状態のスレート屋根もあるため、事前に点検を行いましょう。
耐久性が失われているスレート屋根に塗装をしても、近い将来に葺き替えが必要になる可能性があります。
「塗装をした意味がなかった」という状態になってしまうので、損をしないよう、塗装をするのが最適な方法であるのかをプロと相談してください。
スレート屋根の塗装には縁切りが必須
スレート屋根は、スレート瓦が重なるように施工されているため、塗装によって重なり部分をふさいだままにすると雨漏りが起こる恐れがあります。
重なり部分にある隙間は、スレート瓦の内側に入った水分を外側に出すことができるように施工されているため、塗装でできた塗膜を切らなければいけません。
スレート屋根の塗装に関する経験や知識が豊富な施工会社であれば問題ありませんが、中には縁切りをせずに塗装を終えてしまう施工会社もあります。
見積書の記載内容や打ち合わせの際の話の中で「縁切り」について説明があるか確かめ、雨漏りなどのトラブルが起きないように注意しましょう。
カバー工法(重ね葺き)
カバー工法は、既存の屋根の上に新しい屋根材を重ねて施工する修理方法です。
葺き替えよりも費用が安く、工期を短くできるため、人気の方法でもあります。
しかし、どのような状態のスレート屋根でも採用できるわけではなく、以下のような場合にのみ採用できる点に注意しましょう。
雨漏りが起きている場合は、スレート屋根や下地を交換する必要があるため、カバー工法は採用できません。
必ず雨漏り調査など、スレート屋根の状態を細部まで点検した上で採用できるか判断してもらうようにしてください。
葺き替え
既存のスレート屋根を撤去して、新しい屋根材を施工する修理方法です。
屋根の修理と合わせて、屋根下地や屋根を支える構造部(木材など)の交換・補修もできるため、次回の修理までの期間を長くできるのが最大の魅力となっています。
以下のような状態である場合に、採用を検討しましょう。
採用する際に注意しなければいけないのは、カバー工法や屋根塗装と比べると費用が高く、工期が1番長くかかってしまう点です。
また、後ほど「石綿(アスベスト)を含むスレート屋根の葺き替えの注意点」の見出しで詳しく解説しますが、別途費用がかかる場合もある点に注意してください。
スレート屋根の修理と補修の費用相場
修理や補修にかかる費用相場は、以下の通りです。
足場代や諸経費(廃材運搬費や処理費)などは別途かかる上、施工会社や使用する製品などによって価格は異なるため、参考価格としてチェックしてください。
スレート屋根の修理に火災保険が適用されるケース
スレート屋根に浮きや剥がれなどの修理が必要な症状が発生した原因が「自然災害(強風など)」である場合は、火災保険が適用されるケースがあります。
火災保険の加入内容や自然災害の規模などによって適用になるかが決まりますので、まずは契約時に受け取る「保険証券」を見て確認しましょう。
スレート屋根の修理をするのは申請の後で
火災保険の申請には「修理が必要である状況」を撮影し、提出する必要があるため、修理を行うのは申請をした後にしましょう。
1つの例として、東京海上日動の火災保険への申請の際の必要項目と手続きの流れについて紹介します。
・契約の保険証券番号
・事故発生の日時
・事故発生の場所
・事故の原因
・事故の状況・損害の程度
・修理先(業者名称・電話番号)
・他のお支払いできる保険の契約の有無
・事故後の連絡先
2,保険会社との打ち合わせ
3,保険金請求書類の作成と提出
4,保険金請求内容の確認と承認
5,保険金の受け取り
必要な項目や書類は保険会社によって異なりますが、屋根の状況についての報告は必須です。
修理が必要な状況になった時点で保険会社の方へ連絡し、手続きの流れを確認しましょう。
引用元:東京海上日動|事故発生から保険金お受取りまでの流れ
無料で屋根の修理ができると勧誘する悪徳業者に注意
加入している火災保険の内容によっては、自己負担なく修理ができますが、必ず無料で屋根の修理ができるわけではありません。
以下の言葉で勧誘する悪徳業者には注意しましょう。
火災保険は申請すれば必ず保険金がもらえるのではなく、提出した書類や保険内容を照らし合わせて審査が行われた上で、適用になるかを判断されるという仕組みになっています。
国民生活センターに寄せられた「保険金を使って住宅修理ができる」と勧誘されたことによるトラブルは、年々増加傾向にあるため注意が必要です。
「知らないうちに詐欺に加担していた」という怖い事例もあるため、火災保険については保険会社と相談しながら申請を進めていきましょう。
引用元:国民生活センター|「保険金を使って自己負担なく住宅修理ができる」と勧誘されてもすぐに契約しないようにしましょう!-勧誘・契約が増える秋台風シーズンは特に注意してください-
石綿(アスベスト)を含むスレート屋根の葺き替えの注意点
石綿(アスベスト)を含むスレート屋根の葺き替えの際には、通常の費用の他に以下の費用が発生する点に注意しましょう。
施工会社によって価格は異なりますが、通常の葺き替え費用の他に約10〜20万円がプラスされるケースが多いです。
2023年10月1日から資格者による調査が義務に
石綿(アスベスト)に関する法律が変わり、2023年10月1日からは以下の者による工事前の調査が義務付けられています。
②一般建築物石綿含有建材調査者(一般調査者)
③一戸建て等石綿含有建材調査者(一戸建て等調査者)
④令和5年9月30日以前に(一社)日本アスベスト調査診断協会に登録され、事前調査を行う時点においても引き続き登録されている者
引用元:環境省パンフレット|石綿(アスベスト)関連規制が改正されました
事前調査なく屋根の解体をした場合、石綿(アスベスト)が飛び、人が吸い込んでしまう恐れがあるため事前調査は必須です。
人が吸い込んでしまった場合、肺がんなどの健康被害が発生する恐れがあるため、必ず事前調査をしてもらった上でスレート屋根の葺き替えを行いましょう。
資格者が在籍する経験豊富な施工会社への依頼がおすすめ
特定建築物石綿含有建材調査者など石綿(アスベスト)に関する知識が豊富で、実際に解体作業を行った経験が多い施工会社へ依頼するのがおすすめです。
石綿(アスベスト)に関する事前調査だけでなく、解体や処理作業の際も、安全に作業するためには豊富な実績が必要になります。
施工会社のホームページなどを確認して、安心して任せられる依頼先を見つけましょう。
スレート屋根のメリット
スレート屋根には、以下のメリットがあります。
葺き替えやカバー工法の際に採用する屋根材選びの参考にしてみてください。
金属屋根には出せない風合いが魅力
スレート屋根は、セメントを材料として作られた薄い板を重ねて施工するため、金属屋根には出せない風合いを演出できます。
そのため「他の住宅とは違う外観にしたい」という方におすすめの屋根材です。
選ぶ柄や色によって印象が変わりやすいのも、特徴となっています。
軽量で施工しやすい
一般的な化粧スレートであれば厚さ5〜6mmほどと薄く、軽量であるため施工しやすいのが特徴です。
日本住宅で多く使われてきた瓦の半分ほどの軽さで、地震による被害を軽減できる屋根材として版人淡路大震災以降に普及が進みました。
対応できる施工会社が多い
1990年代ではスレート屋根が主流であったため、修理や補修などに対応できる会社が多くあります。
日本瓦などを使った瓦屋根では、瓦職人の若手不足などにより、対応できない施工会社も多いです。
一方、スレート屋根はシェア率や施工のしやすさなどから対応可能な会社が多いため、依頼先選びに困りません。
スレート屋根のデメリット
スレート屋根には、以下のデメリットがあります。
修理や補修を行う際は、上記のようなデメリットがある点も理解しておきましょう。
寿命が短い
スレート屋根は約20〜35年の寿命であることが多く、日本瓦の半分程度の年数となっています。
瓦であれば、100年近く綺麗な状態を保っているものもあり、高寿命を重視するのであれば瓦屋根がおすすめです。
また、次項でお伝えするように、強風によるダメージなどから経年劣化を起こしやすいため、他の屋根材よりも寿命が短いのがデメリットとなっています。
強風の影響を受けやすい
スレート屋根は、厚みが5〜6mmほど薄いため、強風によって飛ばされやすいのがデメリットです。
以下のような経年劣化が起きている場合、より飛ばされやすい状態となっているため、修理や補修が必要になります。
他の屋根材よりも強風の影響を受けやすい弱点を理解し、定期的に点検をしておくことが大切です。
スレート屋根が飛ばされてしまった場合、近隣住宅や車の破損などのトラブルが起きる恐れもあるため、大きな事故となる前に対処しておきましょう。
補修の頻度が多い
寿命が短く、強風の影響を受けやすいことから、他の屋根材よりも補修の頻度が多いのがデメリットです。
ひび割れや剥がれなどの症状を長く放置すれば、雨漏りや構造部(木材など)の腐食が起きる可能性が高まるため、見逃すことはできません。
そのため、スレート屋根を選ぶ際は「他の屋根材よりも補修が必要になること」を頭に入れて検討しましょう。
同じ30年近くの寿命であれば高耐久な金属製の屋根材である「エスジーエル鋼板」など、耐久性の高い屋根材を選ぶのがおすすめです。
スレート屋根の修理の必要性は10年に1度の点検でチェック
スレート屋根は、定期的に修理・補修や点検を実施していれば「約20〜35年の寿命」となっています。
点検の際に、以下のような症状がスレートや屋根に発生している場合は、修理や補修が必要です。
また、上記の症状以外に「雨漏り」が発生している場合は、早急に対処しなければいけません。
スレート屋根の修理だけでなく、下地や住宅の構造材(木材など)の交換が必要になる場合もあるので、早めにプロに点検を依頼しましょう。