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屋根の雨漏り工事|雨漏りの原因、対処法、費用相場など解説!
「2階の天井にシミができていた、屋根からの雨漏りかも?」
シミができていた場合、屋根からの雨漏りである可能性が高いですが、早めに対処することで雨漏りのダメージを最小限に抑えられます。
この記事では「雨漏りの原因・対処法・費用相場」について解説していきますので、雨漏りが疑われる天井のシミや水滴が落ちてきたなどの症状があるのなら、読んだ後に修理の依頼・見積もりへと動き出しましょう。
〜この記事を書いた人〜
「屋根にお金をかけるのはこれで最後」をモットーに、「妥協のない施工品質と技術力」を最もな強みとして、お客様第一で頑張る千歳瓦店を応援する住宅ライターの直筆です。
工務店で6年間住宅設計・積算を経験し、住宅ライターとして起業。外壁診断士・宅建士・FP2級の資格を活かし、リフォーム業界を中心に活動中です。
※この記事は10分で読むことができます
「水滴がポタポタ落ちるわけじゃないから大丈夫」と、屋根工事などの修理をせずに雨漏りを放置すると、以下のようなことが起こる恐れがあります。
これらが起きた場合、雨漏り修理の他に、木材や合板などの交換・修繕費用がかかるため、全体の費用がアップします。
「少しでも費用を抑えたい」と思っているのなら、放置せず、天井のシミや水滴が落ちてくるなど症状があった時に修理を行いましょう。
屋根の内側に雨水が入り込むようになると、野地板(のじいた:屋根の下地)や小屋組み(屋根を支える木材)が腐食する恐れがあります。
下地や木材に腐食が起きると、耐久性が失われ、屋根を支えられなくなる危険性があるため、交換や補強が必要です。
交換や補強となると、小屋組み全体の修繕作業となるため、費用もアップします。
建物全体の寿命を縮めることにも繋がるため、早めに専門業者へ連絡して対処するのがおすすめです。
腐った木材はシロアリの大好物なので、屋根の下地や木材が濡れて腐り始めると、シロアリが繁殖する恐れがあります。
シロアリは、巣ごと駆除しない限り増えていくため、そのまま放置していると建物全体が被害に遭う可能性が高いです。
大事なお住まいを守るには、専門業者による駆除作業が必要になるため、シロアリによる被害が起きないうちに対処しましょう。
雨漏りによって水滴が落ちてきた場合、家具や家電が濡れて、買い替えが必要になるケースがあります。
ソファやテレビなど大きな家具・家電の買い替えとなると、20〜50万円ほどかかることもあるため、家財に被害が出ないうちに雨漏り修理をしておくことが大切です。
クロスなどの内装材が雨漏りによって濡れてしまうと、高い湿度によってカビが生え、増殖していきます。
カビは胞子を飛ばして増えていきますが、胞子が人の体内に入ると、気管支喘息などのアレルギー性疾患を引き起こす原因となるので危険です。
内装材にカビが生えているということは、見えない屋根の内側でも同じようにカビが生えていると考えられます。
カビは部材の劣化を早め、耐久性を損なうので、家族だけでなく建物の健康を守るためにも早めの対処が必要です。
屋根からの雨漏りは、以下のようなことが原因です。
雨漏りの原因となっているのは1箇所とは限りません。
以下より解説していく箇所が複数関わっている可能性もあるため、建物構造に詳しいプロに雨漏りの調査を依頼し、必要な修理をしてもらいましょう。
屋根に使われている素材・商品によって耐用年数は異なりますが、20〜30年ほどで屋根本体が劣化し、ひび割れや腐食による欠損が起きやすくなります。
表面を保護している塗膜によって、紫外線などのダメージから一定期間は守られていますが、屋根自体が劣化すれば塗膜が役割を果たせません。
屋根塗装は「美観を保つこと」と「屋根を保護すること」が目的なので、大きなひび割れや腐食による欠損はカバーできないためです。
経年劣化による雨漏りは、塗装ではなく葺き替えによる修理が必要になります。
屋根面の端部分には「鼻隠し」と「破風」と呼ばれる雨仕舞(あまじまい)板金が施工されています。
雨仕舞(あまじまい)板金が経年劣化を起こしたり、強風や積雪などのダメージで破損したりすると雨水が入り込むため、定期的な点検が必要です。
特に、外壁面からほとんど屋根が出ていない「軒ゼロタイプ」の納め方では、雨仕舞(あまじまい)板金の施工が難しく、雨漏りがしやすくなります。
修理してもらう際も、軒ゼロタイプの施工について実績が豊富な会社に依頼するのがおすすめです。
野地板(のじいた:屋根下地)には、
雨水の浸入を防ぐためにルーフィングというシートが施工されていますが、ルーフィングの経年劣化などにより雨漏りが発生するケースがあります。
ルーフィングの耐久年数は一般的に20年程度です。
金属屋根であれば、屋根自体も耐久年数が20年程度なので、葺き替えの際にあわせて交換しましょう。
瓦屋根では、瓦が50〜60年程度、またはそれ以上の耐久年数があるため、ルーフィングの交換や補修を忘れがちです。
瓦は「葺き直し」という、瓦を一度撤去して、また既存の瓦を葺く方法が選択できます。
瓦自体に経年劣化がない場合でも、ルーフィングや屋根下地は耐久年数を過ぎている可能性が高いので、葺き直しの際に交換して雨漏りを防ぎましょう。
経年劣化ではなく、屋根の施工方法に問題があったことが原因の施工不良によって雨漏りが起きている可能性があります。
考えられる施工不良の原因は、以下の通りです。
屋根は細かい部分にまで気を配って施工する必要があります。
特に屋根面と屋根面を繋ぐ部分や、屋根の端の部分は、豊富な経験と専門的な知識が必要です。
施工から半年から1年程度で雨漏りが発生した場合は、施工不良である可能性が高いため、屋根を施工してもらった会社へ連絡してみましょう。
最上階以外に屋根があり、外壁部と接する場合は板金によって納めるのですが、隙間ができやすいため雨漏りしやすい箇所となっています。
外壁面から伝ってきた雨水が、わずかな隙間に入り込み、屋根の内側へと入ると雨漏りが発生してしまうため、定期的に経年劣化がないかなど点検を行わなければいけません。
間取りによって外壁部との納まりがない建物もありますが、ある場合は施工していただいた会社などに念入りにチェックしてもらいましょう。
屋根にコロニアルを使っている場合、塗装の後に「縁切り」の作業が必要ですが、知識不足な業者では行わないケースがあります。
コロニアルは、1枚1枚が重なるようにして施工されているため、重なっている箇所から雨水が入り込むことがあるため、外に出せるように縁切りをするのです。
縁切りをしなかった場合、雨水が入り込みやすい状態のままフタをすることになるので、そのまま屋根の内側に到達して雨漏りが起きます。
コロニアルの屋根で塗装をする場合は、必ず縁切りを作業したのかを確認しましょう。
建物の中で雨漏りが発生しやすい部位をランキングでご紹介いたします。
第1位は屋根です。
屋根は建物の中で1番雨風の影響を受けているため、経年劣化や強風による破損が起きやすく、雨漏りの原因となりやすいという特徴があります。
マンションやアパートでは、陸屋根といって、ベランダのようなつくりになっている屋根になっていますが、ベランダと同じく雨漏りが多いです。
屋根のつくりによって差はあるものの、他の部位よりも雨漏りのリスクが多い箇所として、理解しておく必要があります。
屋根の種類は瓦やコロニアルなど様々ありますが、日本の主流は金属製の「板金」です。
施工しやすいなどのメリットもありますが、一方で問題点もあります。
以下より、板金の問題点と特徴について解説していきますので、自宅の屋根に板金を使っている方はメンテナンスの参考にしてみてください。
日本瓦など昨今でも国内で多く使われている瓦は、耐久年数が50〜60年程度ですが、板金は20〜30年程度と短いです。
瓦の中には100年以上綺麗な状態を保っているものもあり、一度瓦を撤去して屋根下地やルーフィングを交換し、また瓦を戻せば、そのまま既存の瓦を使用できます。
一方、板金は屋根下地やルーフィングと同程度の耐久年数なので、葺き替えが必要になった際は、もう一度使用することができません。
ひび割れや腐食などが瓦より起こりやすい点に注意が必要です。
ルーフィングや屋根下地で雨漏りを受け止められているうちは、目に見えて症状が出ず、ジワジワ雨漏りが進行していきます。
室内に水滴がポタポタ落ちてきた状態になった時は、もはや末期状態です。
屋根下地から屋根裏にかけて、すでに木材の腐食などのトラブルが発生しているケースが多いため、定期的な専門業者による点検を受けていないと気づくことができません。
板金の雨漏りはジワジワ進行しているものと考え、点検を怠らないことが大切です。
同じ屋根板金でも、施工する職人によって仕上がりが違うため、雨漏りが起きるリスクにも違いが出ます。
コロニアルや瓦よりは施工がしやすい特徴がありますが、鼻隠しや破風、谷部分など高い技術が必要な場所があるためです。
また、屋根勾配によって適した板金を選択しなければなりません。
中には勾配が緩い屋根に使ってはいけない横葺きの板金を、勾配が緩い屋根に使っていて、雨漏りの原因となっているケースも実際にあります。
屋根板金工事を依頼する時は、実績豊富で技術力が高い職人を選びましょう。
屋根の雨漏りを未然に防ぐには、以下の方法が有効です。
小さなひび割れや腐食など「軽症」の経年劣化を見逃さないようにするには、10年に1回を目安位に点検を行う必要があります。
点検をした際に、塗膜に劣化や小さなひび割れがある場合、塗装で補修が可能です。
塗装には屋根を保護する役割もあるので、10年に1回の目安で行うことで、屋根を紫外線や雨水から守れます。
また、塗装などの屋根に関する作業は、専門的な知識と高い技術力をもった職人へ依頼することが大切です。
同じ作業でも「ただやればいい」と思っている職人と「細かいところまで丁寧に、より長く綺麗にもつように」と思って作業している職人では仕上がりが違います。
ホームページや口コミで、施工実績や評判をチェックし、屋根の雨漏りを未然に防ぎましょう。
雨漏り修理は「応急処置」であれば、以下のようなDIYの方法で対処できます。
「修理業者から今週は対応が難しいと言われた」など、すぐに業者による対処ができない場合には有効です。
しかし、雨漏り修理はどこまで雨漏りの影響が出ているのかを調査し、何が原因で雨漏りが起きているのかを特定する必要があります。
DIYによって水の抜け道をふさいでしまうと、見えない屋根裏で被害が拡大していく恐れがあるため、応急処置として作業しましょう。
強風で屋根が飛ばされたなど、明確に雨漏りの原因箇所がわかっている場合は、ブルーシートをかぶせることで対処できます。
高所での作業となり危険なので、必ず複数人で行い、安全を確認しながら作業しましょう。
また、ブルーシートがしっかり固定されていないと、風にあおられて屋根が破損したり、ブルーシートが飛ばされて二次被害が出たりとトラブルが起きる恐れもある点にも注意してください。
屋根と外壁面の隙間など、雨漏りの原因と思われる箇所がわかっている場合は、防水テープで応急処置ができます。
作業自体は簡単ですが、屋根周辺での作業は転落の恐れがあり危険です。
のぼるためのハシゴをしっかり支えてもらうなど、安全に配慮して作業しましょう。
ホームセンターやネットショップで購入できる、樹脂製のコーキングで隙間を埋めることで対処できます。
コーキングは防水機能があり、窓枠や外壁などの隙間を埋めるために使われるものです。
購入する際は室内の水回りではなく「外装用」と書かれているような、雨風に対応できる商品を選定しましょう。
屋根が大きくはがれてしまったなど、ふさぐべき穴がある場合は、板を貼って対処ができます。
ブルーシートよりも風にあおられにくいですが、しっかり留めておかないと、落下する危険性がある点に注意しましょう。
大きな板であれば、落下の際に人に当たってケガを負わせたり、ガラスを割ったりと、二次被害が出る恐れがあります。
専門業者が対処してくれる時まで、留めている釘や金具が外れていないかチェックしておかなければいけません。
依頼する業者選びを間違えると、半年〜1年後にまた雨漏りが発生するケースがあります。
屋根の雨漏り工事の際は「とにかく早く来てほしい」と急ぐ気持ちがあるかと思いますが、以下より解説していく注意点を頭に入れておきましょう。
ホームページや広告などをチェックし、専門的な資格をもっているかを確認しましょう。
雨漏りの原因を特定するプロである雨漏り鑑定士の他、正しい施工方法で屋根工事をするためには建築士や施工管理技能士が必要です。
雨漏りをふさぐのではなく、根本的な解決に至れるように、専門的な資格をもつ業者に依頼しましょう。
雨漏りの原因を特定し、適切な修理を行うのは、プロでも難しい作業と言われているため、実績・経験が豊富な業者を選ぶ必要があります。
建物の構造や屋根の納まりを把握して「どこまで影響が出ていると考えられるか」を調査できる業者でないといけません。
専門的な資格とあわせて、ホームページ等で施工数やこれまでの雨漏り修理の様子をチェックしましょう。
見積書の項目が細かく「屋根工事一式」など、大雑把にまとめられていない業者に依頼しましょう。
大雑把な項目では、費用に何が含まれているのかわからず、後々「これは別途費用の分です」と過剰に請求される恐れがあります。
依頼する側は含まれていると思っていたことで、トラブルに発展するケースもあるため、見積書の項目が細かく記載されている業者に依頼することが大切です。
「今週ご契約いただければ、20%割引しますよ」など、契約を急がせるような無理な営業がない業者に依頼しましょう。
悪徳業者は、依頼する側に見積書や工事の内容を冷静に考える時間を与えさせないことで、契約を結ばせます。
前払いで料金を払って連絡が取れなくなったり、必要のない作業をされて割高な費用を請求されたりと、トラブルになる恐れがあるため、無理な営業であると感じたら依頼しないでください。
地域密着型の業者であれば、依頼の連絡からすぐに駆けつけてくれるので、いつ雨漏りが起きてもいいように信頼できる業者を見つけておくのがおすすめです。
各地に支店をもっているような大きな業者では、対応が遅れて数日後の工事となるケースもあります。
雨が続くような季節であれば「次に大雨が来たら、部屋が大変なことになるかもしれない」と不安な思いを抱えながら生活しなければいけません。
他の工事でお世話になったことがあるなど、信頼できる業者があれば、地域密着型の業者に依頼しましょう。
「雨漏り修理って、どのくらい費用がかかるのだろう?」と不安な方のために、原因別に費用相場をお伝えしていきます。
なお、お伝えしていく費用相場は、一般的な2階建て住宅の屋根面積(45㎡)を基準にしている点と足場設置等の費用は別途かかる点にご注意ください。
屋根の破損・劣化が原因の雨漏りは、既存の屋根を撤去して、新しい屋根を施工する必要があるため、屋根自体だけの費用は36〜70万円程度かかります。
特に瓦を使う場合は費用が高く、70万円以上かかるケースもあるため、費用を抑えたいのなら板金へ変更することも検討しましょう。
ルーフィングや野地板(のじいた)の劣化が原因であれば、交換が必要になるので15〜30万円程度かかります。
屋根だけを交換しても、ルーフィングや野地板(のじいた)が劣化していたのでは、また雨漏りが発生する恐れがあるため、交換は必須です。
雨どいの破損・劣化が原因である場合は、交換が必要になるので費用は13〜25万円程度です。
既存の雨どいが生産されていれば、同じ部品が入手できるので、部分的な交換で済む場合もあります。
部分的な交換で済む場合は、数万円で対応可能です。
瓦屋根の棟瓦の隙間などを埋めている漆喰が崩れている・劣化していることが原因であれば、18〜30万円程度の費用がかかります。
部分的な崩れなら数万円で対応可能ですが、積み直しをした方が二度手間にならずに済むケースもあるため、専門業者への相談が必要です。
費用を安くするために、いくつか方法があるので、以下より解説していきます。
3〜5社で相見積もりをすることで、雨漏り修理にかかる費用を比較でき、より安く工事ができます。
しかし、極端に安い場合は悪徳業者である危険性があるため、施工実績が豊富であるかなどホームページや口コミをチェックする必要がある点に注意してください。
国や都道府県・市区町村などで、屋根工事などのリフォームに対して、一定額の補助金・助成金を交付している場合があります。
「(お住まいの市区町村) リフォーム 補助金 助成金」で検索をすると、活用できる補助金・助成金がヒットするかもしれません。
Webで見つけ出せない場合は、直接自治体に問い合わせるなどして、確認してみましょう。
台風や積雪などの自然災害が原因で屋根の修理が必要になった場合、火災保険が適用になるケースがあります。
加入している火災保険の内容や自然災害などの強さ・深刻さによって、適用になるかが決まりますので、屋根の雨漏り修理をする前に保険会社に確認しましょう。
屋根からの雨漏りは、屋根本体・雨仕舞(あまじまい)板金・ルーフィングなどの経年劣化や、施工不良によるものなどが原因です。
雨漏りが発生していない状態で経年劣化が見つかれば、部分補修や屋根塗装で対処できますが、雨漏りが発生した後では基本的に葺き替えが必要になります。
「費用を少しでも安く抑えたい」と考えているのなら、葺き替えしか選択できない状態になる前に、定期的な専門業者による点検や、屋根塗装をしておくのがおすすめです。
また、葺き替えをする際にも、火災保険や補助金・助成金の活用をすることで、費用を抑えられるケースがあります。
雨漏りの被害から建物を守るには、DIYではなく専門業者による屋根工事が必須なので、信頼できる業者を見つけて、工事を依頼しましょう。
23/03/22
23/03/09
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「2階の天井にシミができていた、屋根からの雨漏りかも?」
シミができていた場合、屋根からの雨漏りである可能性が高いですが、早めに対処することで雨漏りのダメージを最小限に抑えられます。
この記事では「雨漏りの原因・対処法・費用相場」について解説していきますので、雨漏りが疑われる天井のシミや水滴が落ちてきたなどの症状があるのなら、読んだ後に修理の依頼・見積もりへと動き出しましょう。
〜この記事を書いた人〜
「屋根にお金をかけるのはこれで最後」をモットーに、「妥協のない施工品質と技術力」を最もな強みとして、お客様第一で頑張る千歳瓦店を応援する住宅ライターの直筆です。
工務店で6年間住宅設計・積算を経験し、住宅ライターとして起業。外壁診断士・宅建士・FP2級の資格を活かし、リフォーム業界を中心に活動中です。
※この記事は10分で読むことができます
雨漏り修理の際に屋根工事をせずに放置すると?
「水滴がポタポタ落ちるわけじゃないから大丈夫」と、屋根工事などの修理をせずに雨漏りを放置すると、以下のようなことが起こる恐れがあります。
・シロアリ被害に遭うことも
・家具や家電が濡れる
・クロスなどの内装材にカビが生える
これらが起きた場合、雨漏り修理の他に、木材や合板などの交換・修繕費用がかかるため、全体の費用がアップします。
「少しでも費用を抑えたい」と思っているのなら、放置せず、天井のシミや水滴が落ちてくるなど症状があった時に修理を行いましょう。
腐食が起きる
屋根の内側に雨水が入り込むようになると、野地板(のじいた:屋根の下地)や小屋組み(屋根を支える木材)が腐食する恐れがあります。
下地や木材に腐食が起きると、耐久性が失われ、屋根を支えられなくなる危険性があるため、交換や補強が必要です。
交換や補強となると、小屋組み全体の修繕作業となるため、費用もアップします。
建物全体の寿命を縮めることにも繋がるため、早めに専門業者へ連絡して対処するのがおすすめです。
シロアリ被害に遭うことも
腐った木材はシロアリの大好物なので、屋根の下地や木材が濡れて腐り始めると、シロアリが繁殖する恐れがあります。
シロアリは、巣ごと駆除しない限り増えていくため、そのまま放置していると建物全体が被害に遭う可能性が高いです。
大事なお住まいを守るには、専門業者による駆除作業が必要になるため、シロアリによる被害が起きないうちに対処しましょう。
家具や家電が濡れる
雨漏りによって水滴が落ちてきた場合、家具や家電が濡れて、買い替えが必要になるケースがあります。
ソファやテレビなど大きな家具・家電の買い替えとなると、20〜50万円ほどかかることもあるため、家財に被害が出ないうちに雨漏り修理をしておくことが大切です。
クロスなどの内装材にカビが生える
クロスなどの内装材が雨漏りによって濡れてしまうと、高い湿度によってカビが生え、増殖していきます。
カビは胞子を飛ばして増えていきますが、胞子が人の体内に入ると、気管支喘息などのアレルギー性疾患を引き起こす原因となるので危険です。
内装材にカビが生えているということは、見えない屋根の内側でも同じようにカビが生えていると考えられます。
カビは部材の劣化を早め、耐久性を損なうので、家族だけでなく建物の健康を守るためにも早めの対処が必要です。
屋根から雨漏りする原因
屋根からの雨漏りは、以下のようなことが原因です。
・雨仕舞(あまじまい)板金からの雨漏り
・ルーフィングからの雨漏
・施工不良による雨漏り
・屋根と外壁部の納まり
・コロニアルの縁切り
雨漏りの原因となっているのは1箇所とは限りません。
以下より解説していく箇所が複数関わっている可能性もあるため、建物構造に詳しいプロに雨漏りの調査を依頼し、必要な修理をしてもらいましょう。
屋根本体の経年劣化による雨漏り
屋根に使われている素材・商品によって耐用年数は異なりますが、20〜30年ほどで屋根本体が劣化し、ひび割れや腐食による欠損が起きやすくなります。
表面を保護している塗膜によって、紫外線などのダメージから一定期間は守られていますが、屋根自体が劣化すれば塗膜が役割を果たせません。
屋根塗装は「美観を保つこと」と「屋根を保護すること」が目的なので、大きなひび割れや腐食による欠損はカバーできないためです。
経年劣化による雨漏りは、塗装ではなく葺き替えによる修理が必要になります。
雨仕舞(あまじまい)板金からの雨漏り
屋根面の端部分には「鼻隠し」と「破風」と呼ばれる雨仕舞(あまじまい)板金が施工されています。
雨仕舞(あまじまい)板金が経年劣化を起こしたり、強風や積雪などのダメージで破損したりすると雨水が入り込むため、定期的な点検が必要です。
特に、外壁面からほとんど屋根が出ていない「軒ゼロタイプ」の納め方では、雨仕舞(あまじまい)板金の施工が難しく、雨漏りがしやすくなります。
修理してもらう際も、軒ゼロタイプの施工について実績が豊富な会社に依頼するのがおすすめです。
ルーフィングからの雨漏り
野地板(のじいた:屋根下地)には、
雨水の浸入を防ぐためにルーフィングというシートが施工されていますが、ルーフィングの経年劣化などにより雨漏りが発生するケースがあります。
ルーフィングの耐久年数は一般的に20年程度です。
金属屋根であれば、屋根自体も耐久年数が20年程度なので、葺き替えの際にあわせて交換しましょう。
瓦屋根では、瓦が50〜60年程度、またはそれ以上の耐久年数があるため、ルーフィングの交換や補修を忘れがちです。
瓦は「葺き直し」という、瓦を一度撤去して、また既存の瓦を葺く方法が選択できます。
瓦自体に経年劣化がない場合でも、ルーフィングや屋根下地は耐久年数を過ぎている可能性が高いので、葺き直しの際に交換して雨漏りを防ぎましょう。
施工不良による雨漏り
経年劣化ではなく、屋根の施工方法に問題があったことが原因の施工不良によって雨漏りが起きている可能性があります。
考えられる施工不良の原因は、以下の通りです。
・屋根と屋根の接合部の施工が不適切
・谷や棟のルーフィングが補強されていない
・雨仕舞(あまじまい)板金の納め方が適切でない
・棟瓦のバランスが崩れている
屋根は細かい部分にまで気を配って施工する必要があります。
特に屋根面と屋根面を繋ぐ部分や、屋根の端の部分は、豊富な経験と専門的な知識が必要です。
施工から半年から1年程度で雨漏りが発生した場合は、施工不良である可能性が高いため、屋根を施工してもらった会社へ連絡してみましょう。
屋根と外壁部の納まり
最上階以外に屋根があり、外壁部と接する場合は板金によって納めるのですが、隙間ができやすいため雨漏りしやすい箇所となっています。
外壁面から伝ってきた雨水が、わずかな隙間に入り込み、屋根の内側へと入ると雨漏りが発生してしまうため、定期的に経年劣化がないかなど点検を行わなければいけません。
間取りによって外壁部との納まりがない建物もありますが、ある場合は施工していただいた会社などに念入りにチェックしてもらいましょう。
コロニアルの縁切り
屋根にコロニアルを使っている場合、塗装の後に「縁切り」の作業が必要ですが、知識不足な業者では行わないケースがあります。
コロニアルは、1枚1枚が重なるようにして施工されているため、重なっている箇所から雨水が入り込むことがあるため、外に出せるように縁切りをするのです。
縁切りをしなかった場合、雨水が入り込みやすい状態のままフタをすることになるので、そのまま屋根の内側に到達して雨漏りが起きます。
コロニアルの屋根で塗装をする場合は、必ず縁切りを作業したのかを確認しましょう。
雨漏り発生部位別ランキング
建物の中で雨漏りが発生しやすい部位をランキングでご紹介いたします。
第1位は屋根です。
屋根は建物の中で1番雨風の影響を受けているため、経年劣化や強風による破損が起きやすく、雨漏りの原因となりやすいという特徴があります。
マンションやアパートでは、陸屋根といって、ベランダのようなつくりになっている屋根になっていますが、ベランダと同じく雨漏りが多いです。
屋根のつくりによって差はあるものの、他の部位よりも雨漏りのリスクが多い箇所として、理解しておく必要があります。
屋根板金の問題点と特徴
屋根の種類は瓦やコロニアルなど様々ありますが、日本の主流は金属製の「板金」です。
施工しやすいなどのメリットもありますが、一方で問題点もあります。
以下より、板金の問題点と特徴について解説していきますので、自宅の屋根に板金を使っている方はメンテナンスの参考にしてみてください。
板金は瓦より劣化が早い
日本瓦など昨今でも国内で多く使われている瓦は、耐久年数が50〜60年程度ですが、板金は20〜30年程度と短いです。
瓦の中には100年以上綺麗な状態を保っているものもあり、一度瓦を撤去して屋根下地やルーフィングを交換し、また瓦を戻せば、そのまま既存の瓦を使用できます。
一方、板金は屋根下地やルーフィングと同程度の耐久年数なので、葺き替えが必要になった際は、もう一度使用することができません。
ひび割れや腐食などが瓦より起こりやすい点に注意が必要です。
板金の雨漏りはジワジワ進行型
ルーフィングや屋根下地で雨漏りを受け止められているうちは、目に見えて症状が出ず、ジワジワ雨漏りが進行していきます。
室内に水滴がポタポタ落ちてきた状態になった時は、もはや末期状態です。
屋根下地から屋根裏にかけて、すでに木材の腐食などのトラブルが発生しているケースが多いため、定期的な専門業者による点検を受けていないと気づくことができません。
板金の雨漏りはジワジワ進行しているものと考え、点検を怠らないことが大切です。
板金を施工する職人次第で仕上がりが違う
同じ屋根板金でも、施工する職人によって仕上がりが違うため、雨漏りが起きるリスクにも違いが出ます。
コロニアルや瓦よりは施工がしやすい特徴がありますが、鼻隠しや破風、谷部分など高い技術が必要な場所があるためです。
また、屋根勾配によって適した板金を選択しなければなりません。
中には勾配が緩い屋根に使ってはいけない横葺きの板金を、勾配が緩い屋根に使っていて、雨漏りの原因となっているケースも実際にあります。
屋根板金工事を依頼する時は、実績豊富で技術力が高い職人を選びましょう。
屋根の雨漏りを未然に防ぐ方法
屋根の雨漏りを未然に防ぐには、以下の方法が有効です。
・屋根塗装を10年を目安に行う
・専門的な知識と高い技術力をもった職人へ依頼する
小さなひび割れや腐食など「軽症」の経年劣化を見逃さないようにするには、10年に1回を目安位に点検を行う必要があります。
点検をした際に、塗膜に劣化や小さなひび割れがある場合、塗装で補修が可能です。
塗装には屋根を保護する役割もあるので、10年に1回の目安で行うことで、屋根を紫外線や雨水から守れます。
また、塗装などの屋根に関する作業は、専門的な知識と高い技術力をもった職人へ依頼することが大切です。
同じ作業でも「ただやればいい」と思っている職人と「細かいところまで丁寧に、より長く綺麗にもつように」と思って作業している職人では仕上がりが違います。
ホームページや口コミで、施工実績や評判をチェックし、屋根の雨漏りを未然に防ぎましょう。
雨漏り修理はDIYで対処できる?
雨漏り修理は「応急処置」であれば、以下のようなDIYの方法で対処できます。
・防水テープを貼る
・コーキングで埋める
・板で補強する
「修理業者から今週は対応が難しいと言われた」など、すぐに業者による対処ができない場合には有効です。
しかし、雨漏り修理はどこまで雨漏りの影響が出ているのかを調査し、何が原因で雨漏りが起きているのかを特定する必要があります。
DIYによって水の抜け道をふさいでしまうと、見えない屋根裏で被害が拡大していく恐れがあるため、応急処置として作業しましょう。
ブルーシートをかぶせる
強風で屋根が飛ばされたなど、明確に雨漏りの原因箇所がわかっている場合は、ブルーシートをかぶせることで対処できます。
高所での作業となり危険なので、必ず複数人で行い、安全を確認しながら作業しましょう。
また、ブルーシートがしっかり固定されていないと、風にあおられて屋根が破損したり、ブルーシートが飛ばされて二次被害が出たりとトラブルが起きる恐れもある点にも注意してください。
防水テープを貼る
屋根と外壁面の隙間など、雨漏りの原因と思われる箇所がわかっている場合は、防水テープで応急処置ができます。
作業自体は簡単ですが、屋根周辺での作業は転落の恐れがあり危険です。
のぼるためのハシゴをしっかり支えてもらうなど、安全に配慮して作業しましょう。
コーキングで埋める
ホームセンターやネットショップで購入できる、樹脂製のコーキングで隙間を埋めることで対処できます。
コーキングは防水機能があり、窓枠や外壁などの隙間を埋めるために使われるものです。
購入する際は室内の水回りではなく「外装用」と書かれているような、雨風に対応できる商品を選定しましょう。
板で補強する
屋根が大きくはがれてしまったなど、ふさぐべき穴がある場合は、板を貼って対処ができます。
ブルーシートよりも風にあおられにくいですが、しっかり留めておかないと、落下する危険性がある点に注意しましょう。
大きな板であれば、落下の際に人に当たってケガを負わせたり、ガラスを割ったりと、二次被害が出る恐れがあります。
専門業者が対処してくれる時まで、留めている釘や金具が外れていないかチェックしておかなければいけません。
屋根の雨漏り工事の業者依頼の際の注意点
依頼する業者選びを間違えると、半年〜1年後にまた雨漏りが発生するケースがあります。
屋根の雨漏り工事の際は「とにかく早く来てほしい」と急ぐ気持ちがあるかと思いますが、以下より解説していく注意点を頭に入れておきましょう。
専門的な資格をもっている
ホームページや広告などをチェックし、専門的な資格をもっているかを確認しましょう。
・建築士
・施工管理技能士
・外壁診断士
雨漏りの原因を特定するプロである雨漏り鑑定士の他、正しい施工方法で屋根工事をするためには建築士や施工管理技能士が必要です。
雨漏りをふさぐのではなく、根本的な解決に至れるように、専門的な資格をもつ業者に依頼しましょう。
雨漏り修理の実績・経験が豊富
雨漏りの原因を特定し、適切な修理を行うのは、プロでも難しい作業と言われているため、実績・経験が豊富な業者を選ぶ必要があります。
建物の構造や屋根の納まりを把握して「どこまで影響が出ていると考えられるか」を調査できる業者でないといけません。
専門的な資格とあわせて、ホームページ等で施工数やこれまでの雨漏り修理の様子をチェックしましょう。
見積書の項目記載が細かい
見積書の項目が細かく「屋根工事一式」など、大雑把にまとめられていない業者に依頼しましょう。
大雑把な項目では、費用に何が含まれているのかわからず、後々「これは別途費用の分です」と過剰に請求される恐れがあります。
依頼する側は含まれていると思っていたことで、トラブルに発展するケースもあるため、見積書の項目が細かく記載されている業者に依頼することが大切です。
無理な営業がない
「今週ご契約いただければ、20%割引しますよ」など、契約を急がせるような無理な営業がない業者に依頼しましょう。
悪徳業者は、依頼する側に見積書や工事の内容を冷静に考える時間を与えさせないことで、契約を結ばせます。
前払いで料金を払って連絡が取れなくなったり、必要のない作業をされて割高な費用を請求されたりと、トラブルになる恐れがあるため、無理な営業であると感じたら依頼しないでください。
地域密着型ですぐに駆けつけてくれる
地域密着型の業者であれば、依頼の連絡からすぐに駆けつけてくれるので、いつ雨漏りが起きてもいいように信頼できる業者を見つけておくのがおすすめです。
各地に支店をもっているような大きな業者では、対応が遅れて数日後の工事となるケースもあります。
雨が続くような季節であれば「次に大雨が来たら、部屋が大変なことになるかもしれない」と不安な思いを抱えながら生活しなければいけません。
他の工事でお世話になったことがあるなど、信頼できる業者があれば、地域密着型の業者に依頼しましょう。
【原因別】雨漏り修理の屋根工事の費用相場
「雨漏り修理って、どのくらい費用がかかるのだろう?」と不安な方のために、原因別に費用相場をお伝えしていきます。
なお、お伝えしていく費用相場は、一般的な2階建て住宅の屋根面積(45㎡)を基準にしている点と足場設置等の費用は別途かかる点にご注意ください。
屋根の破損・劣化
屋根の破損・劣化が原因の雨漏りは、既存の屋根を撤去して、新しい屋根を施工する必要があるため、屋根自体だけの費用は36〜70万円程度かかります。
特に瓦を使う場合は費用が高く、70万円以上かかるケースもあるため、費用を抑えたいのなら板金へ変更することも検討しましょう。
ルーフィングや野地板(のじいた)の劣化
ルーフィングや野地板(のじいた)の劣化が原因であれば、交換が必要になるので15〜30万円程度かかります。
屋根だけを交換しても、ルーフィングや野地板(のじいた)が劣化していたのでは、また雨漏りが発生する恐れがあるため、交換は必須です。
雨どいの破損・劣化
雨どいの破損・劣化が原因である場合は、交換が必要になるので費用は13〜25万円程度です。
既存の雨どいが生産されていれば、同じ部品が入手できるので、部分的な交換で済む場合もあります。
部分的な交換で済む場合は、数万円で対応可能です。
瓦屋根の漆喰の崩れ・劣化
瓦屋根の棟瓦の隙間などを埋めている漆喰が崩れている・劣化していることが原因であれば、18〜30万円程度の費用がかかります。
部分的な崩れなら数万円で対応可能ですが、積み直しをした方が二度手間にならずに済むケースもあるため、専門業者への相談が必要です。
雨漏り修理の屋根工事における費用を安くするには?
費用を安くするために、いくつか方法があるので、以下より解説していきます。
相見積もりをする
3〜5社で相見積もりをすることで、雨漏り修理にかかる費用を比較でき、より安く工事ができます。
しかし、極端に安い場合は悪徳業者である危険性があるため、施工実績が豊富であるかなどホームページや口コミをチェックする必要がある点に注意してください。
補助金・助成金を活用する
国や都道府県・市区町村などで、屋根工事などのリフォームに対して、一定額の補助金・助成金を交付している場合があります。
「(お住まいの市区町村) リフォーム 補助金 助成金」で検索をすると、活用できる補助金・助成金がヒットするかもしれません。
Webで見つけ出せない場合は、直接自治体に問い合わせるなどして、確認してみましょう。
火災保険に申請する
台風や積雪などの自然災害が原因で屋根の修理が必要になった場合、火災保険が適用になるケースがあります。
加入している火災保険の内容や自然災害などの強さ・深刻さによって、適用になるかが決まりますので、屋根の雨漏り修理をする前に保険会社に確認しましょう。
まとめ
屋根からの雨漏りは、屋根本体・雨仕舞(あまじまい)板金・ルーフィングなどの経年劣化や、施工不良によるものなどが原因です。
雨漏りが発生していない状態で経年劣化が見つかれば、部分補修や屋根塗装で対処できますが、雨漏りが発生した後では基本的に葺き替えが必要になります。
「費用を少しでも安く抑えたい」と考えているのなら、葺き替えしか選択できない状態になる前に、定期的な専門業者による点検や、屋根塗装をしておくのがおすすめです。
また、葺き替えをする際にも、火災保険や補助金・助成金の活用をすることで、費用を抑えられるケースがあります。
雨漏りの被害から建物を守るには、DIYではなく専門業者による屋根工事が必須なので、信頼できる業者を見つけて、工事を依頼しましょう。